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慶應義塾大学医学部 内科学教室 腎臓内分泌代謝内科

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甲状腺機能低下症

概要

甲状腺は、のどぼとけの少し下にあるH字型の小さな臓器(ぞうき)で、甲状腺ホルモンを分泌しています(図)。甲状腺ホルモンはfT3(フリー・トリヨードサイロニン)、fT4(フリー・サイロキシン)の2種類から成り、全身の細胞に活力を与える働きをもっています。甲状腺機能低下症とは、甲状腺からのホルモンの分泌が悪くなった状態であり、その原因となる甲状腺の病気がいくつかあります。

概要図

概要図

症状

つかれやすい、寒さに弱い、むくみがち、体重が増える、声がかすれる、動作が緩慢(かんまん)、はだが乾燥しやすい、毛が抜ける、便秘、生理が不規則、不妊・流産しやすいなど、その症状はきわめて多岐にわたります。また認知症(にんちしょう)や「うつ」のような精神症状をみることがあり、甲状腺機能低下症と気づかずにメモリークリニックや心療内科などで治療をうけているケースもあるようです。

診断

血液検査によって甲状腺ホルモンを調べます。甲状腺ホルモン(fT3、fT4)値が正常よりも低ければ甲状腺機能低下症と診断されます。甲状腺機能低下症では、高コレステロール血症、軽い肝臓の障害、貧血などが認められることもあります。

甲状腺機能低下症をひきおこす主な病気

  1. 慢性甲状腺炎(まんせいこうじょうせんえん)、別名:橋本病(はしもとびょう)
    自己免疫(じこめんえき)という炎症が甲状腺に生じており、甲状腺に対する自己抗体(じここうたい)が陽性を示すことが特徴的です。甲状腺機能低下症の多くが慢性甲状腺炎によるものであり、中年以降の女性に多く認められます。
  2. 萎縮性(いしゅくせい)甲状腺炎
    甲状腺からのホルモン分泌にブレーキをかけてしまう特殊な抗体(こうたい)が原因です。その結果、甲状腺が小さく萎縮しています。
  3. 無痛性甲状腺炎(むつうせいこうじょうせんえん)、亜急性甲状腺炎(あきゅうせいこうじょうせんえん)(→甲状腺機能亢進症の項を参照)
    いずれも病気の経過中に、一時的に甲状腺機能が低下します。通常は特別な治療をしなくても数ヶ月以内に正常の甲状腺機能に回復します。
  4. 薬物による甲状腺機能低下症
    一部の不整脈の薬やインターフェロン、ヨードを含むうがい薬の多用などによって、甲状腺機能が低下することがあります。
  5. 甲状腺の手術後
    甲状腺の腫瘍や甲状腺機能亢進症に対する甲状腺の手術後は甲状腺機能が低くなることがあります。
  6. ラジオアイソトープ療法後
    甲状腺機能亢進症に対して行った後、数年以上たってから徐々に甲状腺機能低下症となるケースがあります。
  7. 甲状腺あるいはその周辺への放射線照射後
    別の目的で行った放射線治療の際に甲状腺が放射線を大量に浴びると、甲状腺が萎縮して機能が低下します。
  8. 脳下垂体(のうかすいたい)の病気
    脳には下垂体という小さな臓器があり、そこから甲状腺ホルモンの分泌をうながすホルモン(TSHといいます)が出ています。脳下垂体に腫瘍(しゅよう)や出血、炎症などがおきるとTSHの分泌が悪くなり、その結果甲状腺ホルモン値も低くなります。

治療

甲状腺機能の低下が一時的なものでなければ、一般的に甲状腺ホルモンの薬をお飲みいただきます。はじめは少ない量から飲みはじめ、甲状腺ホルモン値の正常化を目標に徐々に増やしていきます。その後は維持量を生涯続けるケースが多いです。

慶應義塾大学病院での取り組み

腎臓内分泌代謝内科では、甲状腺の病気の的確な診断と適切な治療の提供を心掛けています。


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